色が人の心に与える影響とは?

色紙

2005年、イギリスの科学誌『ネイチャー』が興味深い記事を掲載しています。

それは、「赤」にまつわる記事でした。

イギリスのダーラム大学の研究チームが、
2004年のアテネオリンピックにおける4種目
(ボクシング、テコンドー、レスリング2種目)で、
赤のウェアとヘッドギアをした選手と、青のものを着用した選手との間の勝率さがあるのかについての調査でした。

結果は、驚いたことに、
4つの競技とも赤を着用したほうが青を着用した場合よりも勝利数が多いという結果になりました。

ほぼ、同レベルの能力の選手が戦った場合でも、
その差は20%もありました。

2008年にも、ドイツのミュンスター大学で同じような実験が行われました。
結果は、同じく赤を着用した選手の勝率が高くなるという結果でした。
どうやら、偶然ではなさそうです。

赤は男性ホルモンを高める効果がある!?

赤を着用した選手の勝率が高くなることの推測として、言われている一つの説が、男性ホルモンの増加です。

自身が赤を身に着けることで、攻撃性が高まるという推測です。
また、赤は相手に威圧感を与えるという心理的影響を与えるのではないかという推測もされています。

ダーラム大学の研究では、鮮やかな色のリングをつけた鳥が、集団の中でそのポジションを上げてしまったという、結果が出ました。
色は個人の心理だけでなく、社会的心理にも影響するものなのかもしれません。

赤は、記憶力を高める!?

2009年、パソコンのモニターに関する実験結果が発表されています。
コロンビア大学の学生600人に行われた実験です。

パソコンのモニターを赤にした場合と、青にした場合で、言葉を記憶する作業と、創造性を伴う作業をやってもらいました。

その結果、赤の場合が、記憶の正確さが高い結果に。
青に場合が、創造性が高まる結果になりました。

色のチカラを生活に取り入れる

色が人の心に及ぼす影響というのは、近年徐々に明らかになってきています。

ファッションや風水、リラクゼーションなど様々な場所で意識的に用いられることも多いです。
ファッションに関しては、色それぞれに与えるイメージが変わってきます。

赤は、情熱的。
ピンクは可愛い。
黄色は明るい。
黒は、カッコいい、オシャレ。
紫は、神秘的、色っぽさ。
などなど。

男性のビジネスシーンにも色が重要視されています。

例えば、ネクタイの色。
青は、清潔感。
赤は、情熱的。

色の心理学ついて学んでいくと、日常の生活の見え方がちょっと変わってくるかもしれません。

青い照明が犯罪防止になる!?

青色は人の心を落ち着かせる効果があるとされます。

これは、海を思わせる色だからだとか、諸説あるようですが。
最近では、自殺や犯罪防止のために、青い照明が使用されるようになっています。

駅のホームや、サービスエリアのゴミ置き場、防犯パトロール車のサイレンなど。
町の様々な場所で青い照明が使用されています。

イギリスのグラスゴー市で青の照明を採用して、大幅に犯罪が減ったという報道があり、近年では、日本中に広がりを見せています。